群馬県の有力産業・商工業・農林水産業
群馬県の産業、商工業と農林水産業について見ていくと、特に目立つのは豊かな自然環境です。農業や観光業が特に目立ちます。県域北部のいわゆる北毛と呼ばれる地域は、浅間山や谷川岳などを有する山岳部となっています。周辺はまた、豪雪地帯に指定されている地域が多く、このために冬季のスキーリゾート地として有名です。また、この地域には草津・水上・四万などといった温泉も多く存在し、神奈川県西部や栃木県北部と並んで、関東の中でも有数の温泉地であります。具体的な生産品についてみていくと、例えば東毛地域北部にある桐生市では織物の生産が盛んになっています。鋸屋根の織物工場のほか、蔵造りの商家などといったように、歴史的建築物が多く残っており、関東有数の機業都市になっています。中毛地域の南部にある伊勢崎市は絣の産地として有名であります。東毛地域南部の太田市や大泉町については、東北自動車道が近くにあることから、内陸型の組立工業が発達しております。富士重工業を中心として現在まで発達してきた、北関東で屈指の工業都市となっています。
農業について見ていくと、板倉町のきゅうり、下仁田町のねぎ、嬬恋村のキャベツなどが有名です。その他にも、富岡市や下仁田町ではこんにゃくなどが知られています。県について地域ごとの特徴を改めて見ていくと、県内の地域ごとに拠点都市が分散しています。そのために、明確な首位都市が存在しません。例えば、平野部に位置する前橋市・高崎市・桐生市・太田市といった地域は、それぞれ「県都」「商都」「織都」「工都」と称されています。それぞれが歴史・行政・農業・工業・商業といった産業の各種機能を、分担しているのです。
観光業について見ていくと、まず伊香保温泉が有名です。こちらは、群馬県渋川市伊香保町にある温泉で、草津温泉と並んで県を代表する名湯になっています。近くには水沢観音を有しており、それと関連して水沢うどんという名物料理が親しまれています。もう一つ、県内の温泉として水上温泉があります。こちらは、群馬県利根郡みなかみ町にある温泉です。谷川岳南麓の一帯を、特に水上温泉郷と呼んでおり、その根幹を成している中心温泉地です。戦後になってから、交通の便の良さを売りとして大幅に規模を拡大していき、その結果、草津や伊香保と並んで、県下有数の温泉地として発展していきました。温泉は、上越線のJR水上駅の近くにあり、利根川上流の渓流沿いの崖にかけて、大小の宿泊施設が並んでいます。