銀行の法人融資 事業資金借入の審査

法人の初めての事業資金借入 銀行融資の審査ポイント 条件 金利 必要書類

企業を経営するうえで、銀行借入の経験がない企業は非常に少ないと思います。殆どの企業が、銀行に融資を申し込んだ経験があるでしょう。

そして、多くの経営者が、初めての融資に緊張や戸惑いを感じたと考えられます。

銀行に言われた資料をただ提出するだけで審査の結果に従うのと、銀行の審査スタンスを理解したうえで借入を申込むのでは、審査の可否結果やスムーズさに大きな違いが発生します。

また、銀行から提示された融資の条件やについて、妥当性や相場を理解しておかないと、今後の銀行付合いスキルも向上しません。

このページでは、銀行に初めて融資を申込する時のポイントをまとめました。

初めて銀行融資を申込するのは、
・開業資金を申込する企業
・自己資金で開業後、事業拡大に伴う資金需要が発生した企業
の2パターンに該当することが考えられます。

それぞれの企業について、審査のポイントや必要書類などの解説をしていきます。

開業資金を申込する企業向けの銀行融資

開業に伴う初期費用を、手元資金だけでなく、銀行借入も利用して事業を始めるパターンです。

初めて銀行融資を申込む企業の中で、もっとも多いパターンでしょう。

基本的には、上場企業を多く取り扱うメガバンクなどよりも、地元の地方銀行や信用金庫で借りることが殆どになります。

審査のポイント

開業資金の融資の可否が分かれるポイントは「計画性」「申請経緯」「資産背景」の3点です。

計画性

開業資金の融資を受けて、融資金が何に使われて(資金使途)、どのように返済されていくのか具体的に銀行に示す必要があります。

基本的には開業後5年間の事業計画の提出が求められます。

最低でも、売上・原価・売上総利益・販管費・営業利益・経常利益・当期利益・減価償却費ぐらいが記載されている計画が必要です。

ザックリでも良いので、上記項目が記載された計画を用意しましょう。

提出した計画に対して、銀行が計画の妥当性について検証します。

強気すぎる売上高や、相場から逸脱した経費率などは銀行内部で修正され、ストレスをかけた保守的な計画でも融資が返済できるか判断します。

銀行に対して、各項目の計画数値の妥当性をしっかりと説明できるように、事前準備することが重要です。

申請経緯

申請経緯も、開業資金の時は重要な項目です。銀行として、開業を支援する「大義」があるのかを検証します。

当然、反社会的勢力まがいの業種は支援出来ませんし、開業の動機に筋が通っていなければ、事業計画がまともでも融資しないことがあります。

例えば、同じ飲食店の開業であっても、若いころから同業種で修業を積んできた人と、畑違いの職業から、今の仕事が嫌いで逃避的に開業に踏み切った人では、銀行も受け止め方が変わります。

前者と後者が同じ事業計画を提出してきた場合、前者は支援し、後者の融資は見送るという結論になることも十分にありえるでしょう。

畑違いの業種から、脱サラして起業する場合は、なぜ関係のない仕事からの起業なのかの理由を用意しておく必要があります。

資産背景

開業主の信用力も、当然審査のポイントになってきます。経緯が仮に立派だとしても、資産が殆どない状態で融資を受けるのは厳しいです。

事業規模に応じた、相応の蓄財や資産を銀行に提示できるようにしましょう。

親から相続した不動産や、将来的に相続予定の資産も、審査のプラス材料になります。

開業の意向がある方は、少額でも良いので、蓄財する習慣をつけましょう。

融資の条件・金利

開業資金の場合、大半の案件が保証協会付融資となります。

融資額に見合った担保提供や、申込企業主の信用力が非常に高くない限り、プロパーの融資は受けられません。銀行としても、実績のない企業へのプロパー融資は躊躇してしまいます。

保証協会の「創業関連保証および創業等関連保証」という保証制度を利用するのが一般的です。

融資期間は10年以内で、資金使途の内容によって融資期間を銀行が判断します。なお、金利は各金融機関が個別で決定しますが、1.5%~2.5%程度が相場になります。

申込人の信用力や地方性によって変化するので上記金利以外の提示がある場合も当然想定されます。

なお、保証料は1%前後になります。各保証協会が個別で決定しているので、お近くの保証協会で確認してください。

担保は原則的に不要です。

必要書類

・事業計画書
・企業(申込人)概要書
・印鑑証明書
・商業登記簿謄本
・許認可証(写)※必要な業種の場合

上記5点が、開業資金に概ね必要な書類になります。

企業(申込人)概要書は、プロフィールを記載する箇所もあります。開業に踏み切った熱意をアピールする場所にもなりますので、しっかりと記入しましょう。

なお、保証協会宛に提出が必要な資料は銀行に用意してあります。銀行との面談時に記入してください。

また、審査を有利に進めるために、サラリーマン時代の年収確認資料や、蓄財状況が確認出来る資料(通帳の写しなど)をあらかじめ用意しておくと、審査がスムーズになります。

 

自己資金で開業し事業拡大に伴う資金需要が発生した企業向けの銀行融資

自己資金で開業後、事業が安定して軌道に乗り、更なる設備投資や増加運転資金が必要になったケースです。

受注量が増加し、人員を増やすための手元資金の確保や、広いオフィスへの転居などを考えている企業も該当してきます。

今回の記事では概ね開業2年から5年程度の企業を想定しています。

審査のポイント

開業後の企業の審査ポイントは「業績・計画」「経営者資質」「資産背景」の3点です。

業績・計画

開業からの業績、特に直近期の決算書の内容が最重要視されます。

銀行には、直近の決算書3期分の提出が基本的に求められますが、直近の実績が急激に成長したのか、それとも確実に右肩上がりで成長しているかなどを確認されます。なぜ、成長できたのか銀行から問われるので、答えられるようにしてください。

事業が軌道に乗ってきたことで、設備投資であれば投資の妥当性、運転資金であれば金額や資金使途の妥当性を検証し、稟議が行われるのが通常です。

経営者の方は、この融資を調達することで、どのように会社の業績が変化するのか説明できるように準備しましょう。

決算書はあくまで、過去のデータです。銀行に対して、企業がどのように成長し、成長に伴い得た利益で、どう借入が返済できるのかをイメージさせることが重要になります。

経営者資質

銀行にとって、対法人取引の時、決算書と同じくらい経営者が大事です。

決算書の内容が良くても、経営者の人間性に欠陥を感じたら融資しない場合もあります。特に、中小企業規模では、経営者の能力次第で業績が大きく変化するからです。

経営者として、経営する会社の数字について理解していることや、将来の会社のビジョンを語れるようだと、銀行は支援したくなるケースが一般的です。

最終的に、会社をどうしたいのか、そのために銀行に支援を依頼していることが伝われば、銀行の担当者も稟議を何とか通してくれるよう努力してくれます。

資産背景

開業資金と同様に、資産背景も重要になります。最終的に企業と、保証人と成り得る経営者にどの程度資産があり、企業としての体力があるのかを確認します。

特に、決算書には記載されていない、代表者の金融資産や不動産資産などを示せると、審査の参考情報になるでしょう。

融資の条件・金利

開業資金と同様、初めて銀行から融資を受ける際は、基本的には保証協会付融資になるのが一般的です。

しかし、業績や資産背景などによっては、プロパー融資の検討もあり得ます。銀行業界は、低金利時代が長引く状況に加え、担保や保証に頼らない「事業性評価」を求められている時代なので、過去に比べてプロパー融資に積極的です。

複数の銀行に融資を依頼してみて、プロパー融資の打診があるか確認するのも1つの手段だと考えます。

ただ、プロパー融資に固執しすぎるのもおすすめ出来ません。プロパー融資に拘り過ぎて、銀行と無理に交渉しても、銀行の印象を悪くするだけです。

銀行とは、企業の将来の成長にむけて、非常に長い付き合いとなります。取引当初から悪い印象を持たれてしまうと、次の融資や、万が一業績が悪くなり緊急的な支援が必要になった時に、銀行が積極的な姿勢を見せてくれない懸念があります。

プロパー融資の交渉はしてみる価値はありますが、銀行の顔をみて落としどころを見つけましょう。

また、融資期間については、設備資金であれば、設備の耐用年数に応じた融資期間が定められます。一般的な機械装置であれば7年から10年程度、不動産購入となれば20年から30年の融資期間となります。

運転資金であれば、5年が一般的な期間です。

金利については業績によって大きなブレがありますが、1.0%~2.5%程度(業績が良ければ低金利になりやすい)が相場になります。

初めての融資ですので、プロパー融資か保証協会付融資かの希望時と同様に、あまり金利交渉をしすぎるのも良くありません。

初めて提示された金利から、将来的に何%まで引き下げられるよう事業を頑張るという、モチベーションの1つくらいに捉えるといいでしょう。

必要書類

・決算書一式(直近3期分)
・印鑑証明書
・商業登記簿謄本
・許認可証(写)※
※必要な業種の場合

必要最低限の書類は上記の通りですが、審査の補足資料として、代表者の資産が分かる資料や将来的な事業計画を用意しておくと、審査がスムーズになります。

 

初めての銀行融資 審査まとめ

初めて銀行から融資を借りる2パターンの企業について解説してきました。

共通して言えるのは、銀行から借りたお金を、将来的にどのように返済していくのかを銀行に理解してもらうのが重要だということです。開業資金の融資を受ける方は、まずご自身で事業計画を作成し、事業の妥当性について検証してみましょう。

銀行は、過去(決算書や経歴)も見ますが、最終的には企業の未来に融資という形で投資します。

銀行に投資させたくなるかは、最終的には経営者の想いや人間性が決め手になるケースも少なくありません。着実に事業を行い、銀行に良い決算書を提出することに加え、将来的に会社をどのようにしたいのか常に考え、銀行に胸を張って説明できるようにしてください。

そのうえで、銀行と良い長い付き合いができるよう、スキルを磨いていきましょう。

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