栃木県の有力産業・商工業・農林水産業
栃木県の主要産業は、まずは工業があります。県都宇都宮市をはじめとして、上三川町、小山市、大田原市、などといった地域において、いわゆる内陸型近代工業が盛んとなっています。これらは他の地域と合わせて、北関東工業地域を形成しています。また、農業も盛んとなっており、県北から流出する河川が運ぶ、豊かな水を利用した産業地帯を形成しています。中でも米作が盛んであり、飲料工業についても発達が見られます。商工業および農林水産業、両面において盛んな県であります。
農業について詳しく見ていくと、那須塩原市や大田原市、そして宇都宮市は、国内でも有数の米産地となっています。那須塩原市ではこちらは酪農が盛んであり、国内の生乳生産量においては、北海道に次いで高い数値を誇っております。真岡市や鹿沼市などといった地域ではいちごの栽培が盛んになっており、壬生町や鹿沼市のかんぴょうと合わせて、県の特産品として知られています。商業について見ていくと、宇都宮市で最も盛んになっています。県内における、年間商品販売額の約半分について、この宇都宮市で占められています。県内第一の商業都市となっています。
産業についてはさらに、観光産業も盛んです。日光市や那須塩原市、足利市といった地域は、その名前が観光名所として全国的に有名です。特に、歴史・自然遺産が豊富です。例えば、日光の社寺、足尾銅山跡、中禅寺湖、鬼怒川温泉、那須高原などがあります。そのほか、宇都宮市では餃子、茂木町にあるツインリンクもてぎ、栃木市が有する蔵の街なども、近年注目を浴びている観光資源となっています。全体として見ると、県庁所在地の宇都宮市は、全国でも屈指の米産地であり、県の年間製品販売額の約半分を占めています。工業生産額についても県内市町村最大となっており、県内一の農商工業都市になっています。商工業について特徴的なものを見ていきますと、宇都宮テクノポリス地域の存在があります。こちらでは、首都圏に位置する有利な立地条件を生かしつつ、高付加価値である情報産業・研究所を中心として、優良企業の誘致を進めています。また、伝統工芸でも有名です。小山市などといった、栃木県の南東部は結城紬の産地で知られています。そのほか、益子焼、小砂焼などの陶磁器があります。歴史と関連して、日光市の日光彫も有名です。江戸時代において、日光東照宮の建造補修に当たった彫師の存在が、影響を与えています。