秋田県の有力産業・商工業・農林水産業
秋田県の産業および商工業・農林水産業について、まずは有力な産業を具体的に見て行きましょう。例えば、携帯電話やパソコンなどに利用される、固定コンデンサの出荷額については1700億円ほどとなっており、全国1位の数字となっています。そのほかにも、木材生産量は全国4位となっています。特に、樹齢200年をこえる天然秋田杉が有名で、木曽のヒノキ、津軽のヒバと並んで、日本三大美林のひとつに数えられるほどです。また、米の産出については北海道、新潟県に次いで全国3位を誇ります。米の生産と関連して、日本酒の生産も盛んなことで知られています。全国6位の数字を誇っており、知名度も高いです。
このように見ていくと、歴史と知名度のある農林水産業に加えて、工業も盛んとなっています。特に工業については、由利本荘・にかほ地区に代表される、先述の電子部品製造業、さらには公共事業の請負を中心とした建設業が目立ちます。実際の産業構造を詳しく見るために、各分野の総売上高が全国の中でどれくらいに位置しているのか見て行きましょう。ここでは、「建設」「卸売」「小売」「サービス」といった業種に区分していきます。まずひとつ、「建設」については、総売上高は5000億円ほど、県内の全業種に占める構成比は7％ほどとなっています。この構成比は、全国の中でも4位という、かなり上位に位置しています。県内において建設業が有力であるのがわかります。「卸売」の総売上高は5600億円ほどであり、構成比は8％です。一方「小売」は7500億円ほどで、構成比は11%ほど。全国順位については「小売」が5位であるのが目立ち、「建設」に続いての全国上位となっています。もうひとつ、多くの業種が含まれる「サービス」についても、その構成比は13位と高くなっています。ここには「旅館・ホテル」「病院」「パチンコホール」等といった多種多様な業種が含まれています。その総売上高は7500億円ほどであり、構成比は11％近くです。
このほか、全体の業種を通しての、有力なものを個別に見て行きましょう。例えば農業ではあきたこまちが有名です。30年近い歴史をもつ、おなじみの品種となっています。この品種は隣県の岩手県をはじめとして、関東、中四国、九州地方に至るまで、広く栽培されています。また、黒毛和種の生産が盛んです。主な銘柄として秋田錦牛や由利牛などが挙げられます。その他、かつては鉱業も盛んであり、高度経済成長期以前に活況を呈していました。内陸地域では銀山・銅山など、秋田平野などの沿岸地域では石油・天然ガス鉱業がそれぞれ栄えていました。