青森県の有力産業・商工業・農林水産業
青森県の商工業・農林水産業について概要を見ていくと、第二次産業が弱く、そのために、求人倍率や所得の低迷が見られ、人口減少率が高いといった問題を抱えています。これまで、例えば工業の県へ生まれ変わるための取り組みが行われるなどしましたが、いずれも失敗し、現在でも農業漁業といった第一次産業が主力となっている県です。全国と比べると、農林水産業の比率が高く、反対に製造業の比率が低くなっています。まず農林水産業について見ていくと、青森県は国内でも有数の生産高を誇っている、一大農業生産地となっています。農業産出額は3000億円に迫るほどで、特に食料自給率は、北海道や岩手県、秋田県、山形県などといった県と共に、100% を超えている数少ない県となっています。具体的な作物について見ていくと、青森では名実共に、リンゴの生産が盛んです。りんごの生産量は日本一となっています。実に、日本産のリンゴの半数が青森県産というほどです。りんごの品種についてはふじが有名です。「ふじ」の名は、その育成地である藤崎町からきています。糖度が高く、室温では4か月、冷蔵では7か月の保存が可能になっています。その他、三戸・下北地方は、歴史のある馬の産地となっており、現在でも競走馬の生産頭数は北海道に次ぐ規模となっています。その他、生産量日本一を誇る作物をあげていくと、十和田市でのニンニク、青森市でのカシスがあります。カシスについては国内の9割が青森産です。その他、日本で唯一フォアグラの生産を行っているなど、特徴的な農業も数多く行っています。
次は林業です。青森県は特に、日本三大美林に数えられる青森ヒバの産地となっています。中でも下北半島のものは品質が良いことで知られています。ヒバは高級な木材であるヒノキに似ており、「明日はヒノキになろう」という意味で「あすなろ」の別名ももっています。実際、ヒノキに似た特徴をもっており、木材としては優秀です。材はやや黄白色、芳香があり、ヒノキチオールといった物質による殺菌力と耐湿性を有しています。
水産業については、県は三方を海に囲まれており、その真ん中に陸奥湾を抱えています。特に、暖流寒流の4つが流れ込んでいるために、青森県は日本有数の水産業の県となっています。主要魚種を見ていくと、イカ、ホタテ、ヒラメ、カレイがあります。北海道と重なる部分があります。また、陸奥湾においては、ナマコ、トゲクリガニの漁場として有名です。また知名度で言うと、津軽海峡で獲れるマグロが有名となっています。特に、首都圏向けの高級マグロとして需要が高くなっています。中でも大間産のものは「大間のマグロ」としてブランド化されています。対岸の道南にも、戸井など、世界的なマグロの産地が複数存在しています。