愛媛県の有力産業・商工業・農林水産業
愛媛県の産業について見ていくと、県は地理的に東予・中予・南予の三つに分類されます。産業についても、これら地域によって大きく特徴が異なっています。まず東予では、四国中央市の紙、新居浜市と西条市の化学工業、今治市の造船やタオルなど、いわゆる製造業が中心になっています。一方中予は、松山市を中心とした地域であり、松山市は県の人口の3分の1を占めています。そのために、政治・経済、商業の中心として、特に第三次産業が目立ちます。その一方で、臨海部には化学工業も発達しています。そして南予は、柑橘類や養殖漁業を中心として、第一次産業に特化しているのが特徴です。反面、製造業の集積はあまり見られず、経済基盤も弱くなっています。それを補うべく、県や南予の自治体では、コールセンターなどの誘致を目指し、補助金を支給するなど、積極的に企業の誘致を図っています。
さて、まずは県の農林水産業について見て行きましょう。農業ではイヨカンの生産が有名です。これを始めとして、県下各地では柑橘類が生産されています。みかんの栽培も有名になっています。そのほか、キウイフルーツや栗なども有名になっています。中でもみかんは、かつては日本一の座を占めていたほどです。現在でも和歌山県に並んで、みかんの一大生産地山産地となっています。柑橘類を始めとした果実は、生産量で全国トップ3に入るものが多いです。漁業について見ていくと、燧灘、伊予灘、宇和海といった、特徴の異なる3つの海域に面していて、独自で独特の漁業が営まれています。まず燧灘では、小型漁船による漁業が盛んです。沿岸部では、海苔の養殖が行われているのが特徴的です。また、来島海峡などのといったいわゆる海峡部においては、タイやデベラなども獲れます。伊予灘では、漁船漁業が中心となっています。また、宇和海では真珠やハマチの養殖が盛んになっています。特に、タイの養殖については日本一を誇っています。真珠養殖についても、これまで長い間日本一でありました。
商工業についてみていくと、製造業が盛んになっています。製造品出荷額の内訳を見ていくと、非鉄金属が最も高くなっており、次いでパルプ、輸送用機械、化学、石油・石炭が並びます。事業所数について見た場合には、食料がと最も高く、次いで繊維、パルプとなっています。市町村別に見ていくと、東予地方の市が多くを占めており、上島町を含めた場合には県全体の7割以上にもなります。