福岡県の有力産業・商工業・農林水産業
福岡県の産業について、まずは農林水産業を見て行きましょう。農業産出額では全国16位となっており、いわゆる農業県とまでは言えません。ただ、種苗・苗木等の産出額については日本一であるほか、「博多とよのか」や「あまおう」などといったブランドに代表されるいちごの生産が有名で、産出額についても全国2位となっています。その他にも、小麦、が全国で2位、菊は全国で3位など、有力な産品を複数抱えています。また、「ひのひかり」「夢つくし」「つくしろまん」などといった、県産米も生産されているのが特徴です。「博多万能ねぎ」と呼ばれる小ねぎも存在し、こちらは県の特産品として全国的なブランドになっています。
水産業では、北に玄界灘・響灘、東に周防灘、南西に有明海といったように、海に囲まれていることが影響しています。玄界灘・響灘では、鯖、鯵、イカ、フグなどといった魚種が獲れます。周防灘では甲殻類とカキなどの貝類、有明海では海苔養殖が主力となっています。
続いて商工業について見て行きましょう。工業都市である北九州市において、官営製鐵所、こちらは現在の新日鐵住金八幡製鐵所ですが、それを中心として鉄鋼業・製造業が盛んになりました。出光興産、日立金属、日産自動車の源流企業、新日鐵住金小倉製鐵所など、名だたる企業や工場が集積しており、北九州工業地帯と呼ばれるまでに発展しました。その後は、エネルギー資源の転換のほか、東アジアの素材産業への台頭などの影響を受け、現在では産業構造の転換が求められています。また、現在でも北九州市を見ると、TOTOや安川電機などといった大手製造メーカーの本社が存在します。このように、県では工業が盛んになっており、この他にも多くの業種が存在します。
例えば、ブリヂストンの創業地である久留米市があり、そこではゴム製品の製造が盛んになっています。同業者としては他にも、ムーンスター、アサヒコーポレーションなど、各メーカーの工場が多く所在しています。また、近年の特徴としては、九州はシリコンアイランドと呼ばれるようになっています。そのため、多くの半導体製造工場が存在します。行橋市や宮若市においても、ローム福岡や東芝LSIなどといった工場が存在します。これと関連して、サービス業のうち、情報通信業では、ITソフトウェア関連のサービス業が大きな伸びを見せています。その多くが福岡市内に集積しているといった状況です。また最近では、ソフトウェアや設計を専門とした系列企業が、福岡市へ進出するといった動きがさかんに見られます。これと関連して、県内では将来に向けた学術研究機能・産業機能の高度化について、積極的に取り組んでいます。