石川県の有力産業・商工業・農林水産業
石川県の産業について見ていくと、就業者数は60万人ほどであり、このうち第二次産業は3割、第三次産業は6割ほどとなっています。戦後間もない1950年と比較すると、第一次産業に5割が従事していたので、産業構造が大きく変化してきたことがわかります。県の産業構造についてより詳しく見ていくと、第二次産業の中でも特に製造業の割合が高くなっており、さらに製造業の中でも従業者の過半数について、一般機械や電気機械などといった、いわゆる機械関連業に従事しているのが特徴です。1人当たりの生産用機械器具製造業出荷額については、全国1位を誇っています。
産業の内農林水産業について見て行きましょう。こちらは、海面漁業・養殖業の生産が高くなっており、本州日本海側の12府県の中では3番目の生産量、生産金額については1番となっています。魚種別の漁獲量を見ていくと、カタクチイワシが最も多くなっています。次いでスルメイカがきて、その他にはブリ、マアジ、ハタハタ、カレイなどが多くなっています。ブリの漁獲量については、都道府県別で最多を記録するなど、全国的にも主要な産地として知られています。海面養殖業については、七尾湾でのカキ養殖が中心です。内水面漁業を見ていくと、アユを中心として、渓流魚であるヤマメ、イワナなどがあります。さらに、湖沼ではコイ、フナの生産が行われています。また、建設機械については、小松市を創業地とするコマツがその名を広く知られています。建設機械の国内シェアでは1位であり、世界シェアにおいてもキャタピラーに次いで2位を誇っているほどの大企業です。このため、市内にはコマツの工場および関連企業も多く見られます。いわゆる企業城下町を形成している企業です。
電気機器分野について見ていくと、白山市にあるEIZO はコンピューター用ディスプレイ、また、金沢市のアイ・オー・データ機器はコンピューターの周辺機器の生産を行っています。アイ・オー・データはここ最近、家電量販店などでもその名を多く見るようになっています。また、富士通の子会社として、かほく市に本社を置く PFUがあります。こちらは、知名度が低いものの、イメージスキャナの生産では世界トップシェアを誇る有力企業です。金沢村田製作所などのように、村田製作所の関連企業も多く存在し、そこでは電子部品の生産が盛んに行われています。また、県の企業の特徴として、いわゆるニッチ市場で活躍する製造業が多いというものがあります。例えば、金沢市内に本社を置く津田駒工業は、織機において世界シェア1位をほこっています。また、澁谷工業はボトリングシステムで国内シェア1位。このように、意外な分野で世界一のシェアを誇る企業が数多くあります。