香川県の有力産業・商工業・農林水産業
香川県の産業について、まずは農林水産業を見ていきます。農業については、米を始めとして、レタス、みかんなどの作物が盛んに栽培されていて、中でも特徴的なものとしては、さぬきの夢2000のほか、オリーブ、讃岐三畜などがあります。これらは、瀬戸内海式気候を利用した、香川県特有の農産物となっています。県は全体として、山岳地帯が少なく、平地が多くを占めています。その影響を受けて、県内では全域で稲作を中心とした農地が広がっています。特徴としては、それらの大半が小規模農地であり、農業目的の干拓地などといった、計画的な大規模農業はほとんど行われていません。米の作付面積を見てみると、ヒノヒカリが全体の半数近くを占めています。次いでコシヒカリが4割近くであり、この2つの品種が全体の8割以上を占めています。また、麦の生産も盛んです。その作付面積は、さぬきの夢2000が7割近く、イチバンボシが3割であり、米と同じように、この2品種で大半を占めています。野菜の生産量の中でも、最も多いのはレタスです。その他、たまねぎ、ブロッコリー、きゅうりなどがあります。
水産業については、イワシやシラスをはじめとして、タコやイカナゴなどといった、いわゆる海面漁業が盛んになっています。そのほかにも、ハマチ、ノリ、マダイなどのといった、典型的な養殖漁業も盛んになっています。中でも特にハマチの養殖については、香川県が全国で初めて成功したものとなっています。県の漁業全体の生産額について見ても、20%近くを占めており、主要産業となっています。
商工業について見ていくと、坂出市には瀬戸内工業地域の一翼を担っている、番の州臨海工業団地があります。そこでは主に、造船や石油に関連した企業が立地しています。また、四国地方に対して、物資の集散地となっている高松市があり、そこでは運輸、卸売を主とした企業が立地しています。地域で言えば、朝日町、福岡町、木太町北部など、沿岸部にかけて集積が目立ち、食品や印刷などを始めとして、いわゆる市場指向型、軽工業系の工場なども目立ちます。工業の製造品出荷額について見ていくと、戦術の番の州を擁する坂出市が、県内でも突出した存在となっています。8000億円に迫る額を誇ります。次いで、高松市の3000億円ほどとなっています。また、建設業も盛んであり、穴吹工務店といったように、大企業の本社があります。ただ、産業全体に占める従事者数の率を見ると、中国・四国地方各県では2番目に低くなっています。地方によく見られる、土建屋が産業構造に幅を利かせるなどといった傾向はむしろ薄くなっています。