神奈川県の有力産業・商工業・農林水産業
神奈川県の産業について、まずは商工業から見て行きましょう。県内の事業所数は30万にも及び、全国シェアは5%ほどとなっています。また従業者数は350万人に迫る勢いであり、全国シェアは6%近くなっています。いずれにしても、東京都、大阪府、愛知県に次いで全国第4位という数字です。構成を見てみると、事業所の約40%は卸売・小売、飲食店が占め、30%のサービス業が続きます。従業者の比率も、概ねこれに従います。また、工業分野で言うと、化学工業が東京、大阪、愛知を抜いて全国1位となっています。県が抱える3つの港、横浜港、川崎港、横須賀港の3港合計の貿易額について見ていくと、輸出入ともに、全国の1割前後を占めています。港別貿易額の順位になると、横浜港は成田空港、名古屋港、東京港に次ぐ全国第4位の数字です。
また県内には横浜市・川崎市などの市街地のほか、江の島、鎌倉などといったいわゆる湘南地域、三浦半島の海水浴場、丹沢、相模湖、箱根、湯河原町といった温泉地、全体としてレジャー施設および観光地が非常に多くなっています。特にそのバリエーションが豊富で、個々の集客力が大きいのが特徴です。県内の観光客数は2億人にも迫る勢いであり、そのうち1億5000万人ほどが日帰り観光客となっています。地域別に見ていくと、特に横浜・川崎地域において日帰りの観光客が多く、5000万人を超えています。一方、宿泊客が最も多くなっているのは、箱根・湯河原地域です。こちらは600万人ほどとなっています。
次は県の農林水産業について見て行きましょう。県内の農家数は30000戸近くなっており、県全体の世帯数の1%にあたります。耕地のうち、約80%が畑・樹園地となっています。1戸あたりの作付面積については、全国平均より小さくなっています。しかし、土地生産性については非常に高い数値をほこっています。作物について見ていくと、大消費地に近接している利便性を生かして、キャベツ・大根などといった野菜に始まり、牛乳、豚肉、花卉の生産が盛んとなっています。また、果樹についてはナシおよびミカンの生産が多くなっています。梨園などが町中に見られます。さらに、西部や中部の中山間地域に行くと、茶が生産されています。ブランドとしては「足柄茶」があります。漁業については、その大半が三浦半島に散在している25の漁港を中心に行われています。特に、マグロ延縄による遠洋漁業や、大型定置網による沿岸漁業が盛んとなっています。マグロ遠洋漁業は特定第三種漁港の指定を受けており、三崎漁港はマグロ遠洋漁業の基地として有名で、その水揚げ高は全国2位の数字を誇っています。商工業及び農業のバランスのとれた県となっています。