静岡県の有力産業・商工業・農林水産業
静岡市の産業について、まずは農林水産業を見て行きましょう。御存知の通り、静岡県は国内随一の茶産地となっており、市場の占有率を見ても実に40％を超えるほどとなっています。特に有名なのは静岡茶です。これは県内各所で栽培されており、産地によってそれぞれ呼び名が変わってきます。その種類は非常に多く、いかに茶の栽培が盛んかをよく表しています。全国の中でも特に名の知られた銘柄の一つとなっています。主な栽培地は、大井川上流に位置している川根地区となっています。景観としても特徴的な、傾斜面を利用した茶畑が存在します。寒暖差が激しく、大井川の影響を受けて朝霧が掛かり、それらの環境が相まって良質の茶が育っています。もう一つ、 本山茶も有名な銘柄になっています。こちらは、静岡市の北部、安部川と支流藁科川上流に位置している山間部で生産されています。明治天皇にも献上した歴史をもつなど、静岡茶の中でも高級銘柄として知られています。特に、静岡茶発祥の地でもある足久保地区、そこで生産されたものは足久保茶と呼ばれることがあります。
県の産業構造について、全体像を見て行きましょう。県では第二次産業の割合が高くなっていますが、先述した緑茶を始め、みかんなど代表される農業も盛んです。さらには、マグロ・カツオ・桜エビなどが有名であり、漁業も盛んに行われています。そのほか、伊豆半島・南アルプス・浜名湖などを代表として、観光名所や資源が豊富であり、サービス業も盛んになっています。特に熱海市などを有する伊豆半島は、全国でも屈指の観光の名所になっています。首都圏をはじめ、日本全国から一年中、観光客が訪れます。温泉も数多く揃っています。また、富士山の存在も産業の面から言って大きく影響しています。富士宮市・御殿場市などは環富士山地域とよばれ、富士の名所も点在しています。
地域ごとに産業についてみていくと、漁業は伊豆半島から沼津市、焼津市あたりにかけて盛んになっています。また、商工業では，例えば静岡市を中心としたプラモデル会社・工場の集中が目立ち、全国の売上シェアの実に90％以上を占めています。そのほか、富士市では製紙産業が盛んになっています。浜松市や磐田市周辺に目を移すと、こちらは楽器製造をはじめ、オートバイ自動車製造、さらには光電子技術産業が盛んになっています。また、浜名湖周辺ではうなぎの養殖が有名です。しかしながら、最近では他の産品に転換が図られており、生産高は落ちこんでいるといった状況です。周辺海域では、高級魚として知られるトラフグの養殖が行われており、新たな特産品として期待されています。