徳島県の有力産業・商工業・農林水産業
徳島県の産業について、まずは農林水産業を見て行きましょう。県では、吉野川北岸地域および河口付近において、野菜の生産が盛んになっています。出荷先は主に京阪神方面となっています。畜産業については、阿波畜産3ブランドである阿波牛、阿波ポーク、阿波尾鶏が有名です。最近は酪農経営および乳牛数のいずれにおいても、全盛期の4分の1にまで落ち込んでいます。しかしながら、徳島市における牛乳消費量を見ていくと、都道府県庁所在地の中では最も高い数字を誇っています。具体的な企業について見ていくと、県内唯一の牛乳メーカーとして日本酪農協同の徳島工場が存在します。戦術の三大ブランドのうち、まず阿波尾鶏について見ていくと、こちらは徳島県で飼育されている鶏の品種となっています。出荷数およびシェアにおいて、日本三大地鶏である名古屋コーチン、比内地鶏、薩摩地鶏を抑えて、トップを誇っています。1990年から販売が開始されました。その名前については、徳島で有名である阿波踊りからきています。阿波ポークについては、徳島県で生産されているブランド豚および銘柄豚肉のひとつです。そして阿波牛は、徳島県で生産される黒毛和種のうち、基準を満たした場合のみ呼称が許されている牛肉を指します。林業については、県の南西部にある那賀郡にある、豊かな森林地帯が支えています。その他、林業に関連して、生シイタケの生産量が日本一となっています。
県の産業について、徳島市に注目してみましょう。市では、江戸時代より徳島県における経済の中心となっています。四国の中でも、県庁所在地である高松市、松山市、高知市と並んで、重要な役割を果たしています。江戸時代から明治時代の間は、木材の集散地として栄えており、全国でも有数の商業都市でした。大阪などを始めとして、関西地方とのつながりが深くなっています。明石海峡大橋が開通してからは、さらにその傾向が顕著になっています。
商工業については、大正以後は藍産業の衰退が始まり、一時的に停滞します。しかしながら、藍商人の富を資本にしての金融機関の設立のほか、紡績、製紙、電力などといった近代産業の発展が見られます。これが現在の経済の基盤となっています。高度経済成長の時代には化学工業を中心として工場の誘致が盛んに行われました。また、製材業、木工業といった従来の産業についても、大きく発展していきます。戦術の明石海峡大橋開通前後においては、流通産業をはじめ、関西系企業を中心としての製造業の立地が進んでいきました。