和歌山県の有力産業・商工業・農林水産業
和歌山県の産業について、まずは商工業を見て行きましょう。和歌山市や海南市は、阪神工業地帯の南端に位置しており、工業出荷額が大きくなっています。和歌山の中でも目立った工業としては、鉄鋼業、石油産業があります。鉄鋼業の出荷額は県内産業の、実に3割強にも相当します。これは、石油産業と合わせれば県内産業の6割弱にも及びます。大規模工場としては、例えば和歌山市の新日鐵住金のほか、有名な花王の和歌山工場、三菱電機の冷熱システム製作所などがあります。また、地場産業について見ていくと、海南市の家庭日用品が有名です。
具体的には、水回り用品について、国内のシェアの約8割をも占めています。主な大手企業としては、ヨコズナクリエーション、アイセン工業、イシミズなどがあります。その他にも、意外なところでは御坊市の麻雀パイ、有田市の蚊取り線香などがあります。地場産業ならではの、独特な製品、あるいはごくごく身近な製品が見られます。今度は農林水産業について見ていきます。当県は果樹王国といわれており、果物の栽培が非常に盛んになっています。特に、全国シェアにおいて上位を占めるものが多いです。例えば蜜柑が全国1位の 生産量を誇っているのは有名です。全国シェアにしても、約2割をも担っています。また、梅の 生産量も日本一であり、こちらは全国シェアでも約6割にもなります。その他、柑橘類の生産が非常に目立ちます。はっさく、ネーブルオレンジ、キウイフルーツなども多くの生産量を誇っています。
漁業については勝浦漁港が有名です。所在地の那智勝浦町は世界遺産である熊野那智大社をはじめとして、那智の滝などといった多くの観光地を抱えています。南紀勝浦温泉などと合わせて、この勝浦漁港も観光地となっています。漁港は日本有数のマグロ延縄の基地として有名になっています。その陸揚量は静岡県の焼津漁港、神奈川県の三崎漁港に次いで、全国で第3位に入ります。中でも特に、生鮮マグロの水揚高については日本一を誇っています。そのほか、ふかひれの生産なども特徴的です。先述したとおり、温泉街と接しているために、観光客が多く訪れます。施設が充実しているとともに、地場産品を販売する朝市がにぎわいを見せています。林業も行われています。当県は平野部が少ないこともあって、古くからスギやヒノキといった木を中心にして、山林業が盛んになっています。全国の山林を見てみると、そのほとんどは国有林です。しかし、和歌山県では大部分が民有林という特徴をもっています。