山口県の有力産業・商工業・農林水産業
山口県の産業について、その概要を見て行きましょう。県のうち、山陽地方に当たる瀬戸内海側では、商工業が盛んです。特に、重化学コンビナートを中心とした工業が盛んです。それに加えて、高速道路網などを生かした流通業などが発展しています。これらを含めて、瀬戸内工業地域の一角を成しています。反対に、山陰地方に当たる日本海側については、農林水産業、つまり第一次産業と観光業などのサービス産業が中心となっています。県ではかつて、宇部・美祢において鉱業が盛んであり、石炭が採掘されていました。いずれも現在は閉山しているものの、県西部にある重化学工業地域は、炭鉱を背景として発展したものとなっています。現在の美祢地区では石炭に代わって石灰石の採掘が行われています。これはセメントの原料であり、セメント製造に関連する企業が集中しています。
一方、県の東部では石油精製コンビナートが展開されており、特にソーダなどといった化学系の製品製造を主として、工業地域を形成しています。県の経済圏については、県内各地域に分散しています。下関市、宇部市、山口市 、周南市 、岩国市に、それぞれ中心都市を抱えており、程度の集積が見られます。山口県全体でみた場合には、多くの金融機関の拠点となっている下関市での集積が目立ちます。例えば、地方金融グループである山口フィナンシャルグループ、西中国信用金庫がそれぞれ下関市に本店を置いています。加えて、日本銀行の支店が、山口県の中では唯一、同市に置かれています。近年の金融不況の影響を受けつつも、現在でも金融機関の集積地という地位は健在です。多くの銀行をはじめ、証券・保険会社が支社・支店を開設しています。
次は水産業について見て行きましょう。第一次産業の中でも、県では主に水産業が盛んとなっています。歴史を振り返れば、かつては捕鯨が主でありました。捕鯨を行っていた企業としてマルハニチロ水産があり、下関を創業の地としています。マルハニチロについては、現在でも林兼産業などを例として、マルハ関連会社が多数残っています。また他にも、日本水産、これはニッスイの名で知られていますが、こちらも下関が創業の地となっています。現在は特に、フグが有名であり、水揚げ高については全国の実に8割もの割合を占めております。市内にも、ふぐ専用の魚市場が存在するほどです。また最近では、アンコウの水揚げ高も全国一である事が明らかになりました。